マイプロ:SocialImpact Analysis 〜ソーシャル・インパクトの測定と評価〜
月に1500円のマイクロ・ローンを借りて、農業を営むザンビアの難民。初めて1年契約でのローンを借りてから、既に1年半が経っているが、いまだに返済は出来ていない。
マイクロ・ローンを借りている130人の返済率は、実は、全員0%だ。ローンを借りている難民の1人も、いまだに返済が出来ていない。
しかし、この月1500円という私達にとっては居酒屋の飲み放題コース(にしてもすごく安い!)程度のお金の額は、ザンビアの難民達の生活に大きな変化をもたらしている。
少しでも多くの食糧を買って、栄養を取れるようになったり、衣類を購入することが出来たり、子供を学校へ行かせることが出来るようになった。ローンを借りる難民は、資金を確実に生活をより良くするために使っている。
しかし、返済率0%という数値では、これらの社会的な変化・インパクトは伝わらない。例え経済的なリターンがなく、ほぼGrantに近いモデルでしか運営が出来ない現状があっても、社会的なリターンは実に大きい。
この、社会的なリターンをなんとか示したい。カリフォルニアのドナー達が、返済率0%を見て、このプロジェクトに投資することを中断するのではなく、確実な社会的な変化を示し、協力し続けて欲しい。ザンビアとカリフォルニアとの距離があっても、相手の立ち位置に経ち(stand in somebody else’s shoes)誰かの生活の過酷さや、それに自分自身がもたらすことの出来るポジティブな変化を感じ取って欲しい。例え何千キロの距離が離れていても、それが出来る事ができれば、距離なんて関係なく、思いやりを持って、行動することができるのではないか。
そんな、カリフォル二アのNPOでインターンをしているときの想いから、私のソーシャル・インパクト測定と評価(Socialimpact analysis)への関心に火がついて。
マイクロファイナンス×評価
そんな想いに火がついたのは2007年1月。留学機関もあと残りあと5ヶ月となったとき、インターンとして受け入れてくれたNPOに継続的に関われない代わりに、social impactanalysisを将来決行出来るようなツールを残せたら、、という想いが湧いて来た。
留学期間が終わる5月22日ぎりぎりまで、大学の教授や博士課程の学生にも協力をしてもらいながら、インターン先のNPO独自のsocial impact analysisを提案し、作成に取り組むプロセスで出会う機会があった専門家や教授、その他のとても親切に手助けをしてくださった方々のコンタクトリストと心からのお礼を伝え、日本に帰国した。
マイクロファイナンスのインパクト測定と評価で、最も参考になったモデルは、GrameenBankがクライアントの貧困レベルを測定する年に一度の評価。Grammenは、10の指標を用いて、クライアントの貧困レベルを測定する。これらの10の指標をクリアすることが出来たら、貧困から脱却することが出来た、と判断するのだ。
http://www.grameen-info.org/index.php?option=com_content&task=view&id=23&Itemid=126
to be continued…
開発援助×評価
留学から帰国後、マイクロファイナンス以外の分野でこの社会的なインパクト測定と評価は用いられないかを考えるようになった。
ドナーが自分のお金の行き先が知りたいように、もしかしてODAプロジェクトでも、一般市民のお金、つまり税金が、どんな社会的な変化・インパクトをもたらしているかを測定することは出来ないだろうか?
そんな想いから、今学期は、より大きなスケールのプロジェクトにおいても、社会的なインパクト測定と評価をすることは可能か、経済的な指標だけでなく、社会的な指標も評価項目にいれることで、社会的な変化を生み出すことへ向けてより大きな資源が使われるような仕組みを創れないか、をマイプロで探ります◎
10月報告<ODA評価>
今月は、ODA評価における最近のトレンドを調べていきました。
世界で統一された評価のモデルがない中でも、ODA評価の質を挙げ、学びを世界で共有することが貧困削減につながり、援助の効果(aideffectiveness)を強化するという認識を各援助機関が持つようになっている。特に2005年頃から、2015年までが達成目標のMillenniumDevelopment Goals (MDGs) が達成できないという危機感が増していることが、近年のODA評価の質の向上への取り組みの背景にある。
そんな中で、興味深かったのが、WorldBankのPoverty and Social ImpactAnalysis (PSIA). 2001年から、PovertyReduction Strategy Papers(PRSP)と共に行われるようになったPSIAは、PRSPで描かれている今後取り組んでいく経済的な政策が、国の貧困レベルや社会にどのようなインパクトを与えるかを事前に測定する機能をも含む。
しかし、PSIAはNGOからは、実施数が少ない、途上国のキャパシティービルディングやオーナーシップを考慮せずに行われている、充分な情報公開がされていない、他の政策を検討することに力をいれていない、等と多くの批判を受けている。
これらの批判をみても、やはりマクロレベルで行う評価とNGOがみるミクロレベルでの変化や影響は、とても大きなギャップがあるんだろうな、と感じた。同じインパクト測定と評価といっても、スケールが違えば手法も得られる情報も、その使い方も大きく異なってくる。少しでもミクロのレベルの視点をマクロレベルの評価にいれることはできないだろうか?
感想&来月に向けて☆!
リサーチを進めていて、以前井上先生からアドバイスをいただいた「評価には、『お金がかかる』『めんどくさい』その割には『具体的な成果がでない』と言葉を聞いただけでうんざりする人が多い」という言葉がずっと気になっていた。
マイクロファイナンスのようなプロジェクトのレベルでも、データを集め、分析することに手間もお金もかかる中、ODA評価でみようとする政策の社会的なインパクトを測定することは、本当に意味があるのか。そんなことを考えながら、、、でも、評価項目を意識することによって、プロジェクトの中身は変わってくるのではないかな?社会的なインパクトの測定や評価が強調されればされる程、そのような成果を出せるよう、プロジェクトがシフトしていく可能性はないのだろうか?
11月は、リサーチ中にたくさん出て来た疑問を胸に、もっともっとリサーチに力をいれ、リサーチだけでなく、開発援助に関わる人に会ったり、セミナーに足を運んだりと、色々な疑問を話し合う機会を創っていきたいです:)実は、本来私は人と触れ合うことや一緒に活動することに何より喜びを感じるので、今月はリサーチどーん!で少し参ってました:)
もし何か良い機会を知っていたら、どうか教えてください!&ぜひ一緒に行きましょう♪
10月☆報告
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Reply #2 on : 木 4月 03, 2014, 17:11:27
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Reply #1 on : 土 9月 14, 2013, 19:38:39