井上英之 研究室

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■2007年10月29日(月)井上研究会 @ETIC.
題材:グラミンバンク

プレゼンター:ミンミンs

参加者:いの・じゃすみん・はるぴ・つっちー・じょい・あゆみ・まりこ・つじけん・まりなっちょ・たっくん・とりちゃん・ばーど・てん・もっちー・あーちゃん・なんしー・むーみん・はせ・かめ・すこ・みち

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■ 1.グラミンファンデーションの紹介 Byはるぴ
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★プレゼン

【目的】スケールアウトの事例としてグラミンファンデーションを紹介

ミッション:貧困層に金融サービスと情報へのアクセスを通して、尊厳をもって、世界の最も貧しい人々を貧困から自分自身で抜け出せるようにすること。

GFの特徴:
・GFのビジョンや価値観を含んでいるMF機関を支援する
・MFの機関やそのプログラムを支援するだけに限る
・ユヌスが理事会に所属
・スタッフはワシントンDCとグラミンテクノロジーセンターを基盤とする

GF実際にやっていること:
・お金、テクノロジー、経営支援、トレーニング、情報サービスの提供を22カ国、52個の地元のMF機関に対して支援している
・農村部の貧困層にテクノロジーやマイクロビジネスの方法を通してコミュニケーションと重要な情報へのアクセスを提供している

GFのゴール:
・新しい顧客を500万人増やす
・顧客の50%が、最初のローンをしてから5年以内に貧困を抜け出せることを確実にする
・もっと世界の最も貧しい人々のところへマイクロファイナンスを届けることが出来るよう、三つの持続可能なイノベーションを起こす(3つのイノベーションが何かは分からなかった)

グラミンファンデーションは自分たちのビジョンや価値観を含んでいるマイクロファイナンス機関をサポートすることで、スケールアウトが可能になる
グラミンファンデーション⇒マイクロファイナンスのパートナーズ⇒顧客⇒ビジョンの達成

その他MFを行っている機関の紹介:
・世銀
・IFC
・CGAP

はるぴの考え:
様々な機関・立場からマイクロファイナンスを行っている。
世界を巻き込んでムーブメントを起すことが大切。
スケールアウトの中心となっている機関は、グラミンやその他の機関。


[プレゼンへのアドバイス](いの)

ミッションは彼らの強みと想いが凝縮されているものだから、流さないで発表すること! 
・英語の意味を汲み取って正確な日本語に直しましょう
  グラミン哲学⇒グラミンの哲学
  Local⇒地域
  テクニカルアシスタント⇒経営支援(工業技術支援ではない)
  テクノロジー⇒インフォメーションテクノロジーに近いのでは
・引用などのソースをちゃんと書いてください!
・IFC/CGAP/マルチドナー組合など・・・どんな部署で、何をやっているかまでおさえる
・英語の原文も載せておくのは非常にいいこと
・なんとなく言ってはいけない
・世銀グループ(BANK)⇒アジア開発銀行・AOB・IFC・IBRD(いわゆる世銀)
・ファンドや情報研究がグラミンバンクグループとは別に存在する


★ディスカッション

【問い】:グラミンファンデーション設立したのはナゼ?

・MFをつくりたいし、お金はあるけれどノウハウがないという人と、お金だけだすという人たちがいた。その人たちをつないで、お金を受ける代わりに、経営などはグラミンに任せてほしいというスタンスだったのではないか。(じゃすみん)

・GFの本部がワシントンDCにあるということがおもしろい。世銀にけんか売ってる?笑(いの)
・確か、世銀がグラミンに対してお金を支援しようと提案してきたが、グラミンは自分たちでできると断っているはず(はるぴ・ジャスミン)
・おそらく、グラミンが困っていたときに世銀は無視した。今更なんだという気持ちがグラミン側にあるのではないか(まりこ)

・GFがノウハウとお金を渡すっていうことは、どのようなパッケージになっていて、どのあたりがフレキシブルにいじれるのか、現地適合をどのように行っているのかが興味深い。(いの)

・マイクロファイナンスのサミットがあったときは、ユヌスが「グラミン自体がマイクロファイナンスを背負っている。批判があるたびにグラミン自体がそれを引き受けて答える役割をしている」と言っていた(いの)


★いの語り

GFとSVPIの設立背景は似ているのではないか。
~本部の運営とスケールアウトの推進主体を分ける意味~

SVPシアトルは当初広げる気がなく、楽しくやっていた。しかし、そのうちに全米からSVPをつくりたいという問い合わせが殺到するようになる。問い合わせの対応に時間がとられて本部の運営に悪影響を与えはじめたうえ、きちんとやってもらわないとブランドがおちるとういリスクがあった。そこで、SVP本部から切り離して、スケールアウトの対応を引き受けるSVPIが設立された。
SVPには「SVP in the BOX」というSVPを立ち上げるためのマニュアルがある。当初のバージョンは、すごく物語性があり、読んでいて楽しかったけれど、最近のバージョンは硬い。
 
フローレンスも研究やスケールアウトのノウハウなどをもっているが、実際にはコンサルの依頼を断わったり、お金をとったりしながら慎重にやっている。切り離さないと本部が倒れる。

これは、研究とティーチングを両立している日本の大学教授の話にも似ている。アメリカでは、ティーチングは完全にパッケージ化されており、誰が教えても高い質の授業ができるようになっている。日本は、各教授にティーチングを任せきりにしているために、教授が研究に集中できずいい研究実績が出ないうえに、教育の質にばらつきが生まれる。

SVPはブランドに気をつけているので、広げるスピードを落としている。ソフィストケイトされていて、現場の気持ちも分かって・・・という人たちでなければいけない。
SVPの投資先になることで、他の投資も受けやすくなる。金額以上のレバレッジになる。

実は、最近SVPでもつぶれるケースが各地で起っている。東京もよくない傾向がある。
ベイエリアの例:カリスマが手をあげてはじめる⇒軌道にのりはじめてからフルタイムスタッフ⇒フルタイムスタッフがオペレーションのリーダーシップを発揮⇒オペレーションがしっかりしだす⇒カリスマの人たちが手を離す⇒パッションやビジョンが薄くなる⇒楽しさがなくなり、人が離れる⇒組織がつぶれる

SVP東京も、オペレーションを引き受けてくれる優秀な人がいることで、設立に携わったメンバーが少々身をひきはじめている。ファウンダーレベルを引き戻して、モチベーションをあげる。他の人にも俺たちのやってることってかっこいいぜ!と思わせることが重要。


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■ 2.グラミンフォン By つっちー
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★プレゼン

その前に・・・グラミンフォンの実物登場!!すげー!!ふつー笑

グラミンフォンの組織体制:
 グラミン・フォン(営利)ネットワークインフラ構築
 グラミン・テレコム(非営利)インフラを買い取って、それを小売

信条:
いいビジネスがいい経済をつくる

代表:
イクバル・カディーア

形態:
4つの出資からなる合弁会社 (テレノール・グラミンテレコム・丸紅・ゴノフォン)

やっていること:
・通信業者ライセンスの保有
・ネットワークの構築
・サービスの販売

25万台のビレッジフォンを通じて一億人に通信手段を提供
テレフォンレディが貸し出し業務を担う。年間所得750(バングラディッシュの平均の2倍)
⇒2006年で1000万人以上の顧客 売り上げ10億ドル以上

グラミンテレコムのやっていること:
政府が関わっているグラミンバンクを通じて圧力をかけられないように
マーケティング・小売りを担当

ビレッジフォンプログラム:
バングラデシュの6万8000の村のほとんどに電話を供給する

成果:
・電話から情報を得ることで、事前に医者に聞いたり、農産物の価格を調べたりができる
・テレフォンレディという女性が事業主になり、経済的に自立
・マイクロファイナンスだけでは事業の発展に障害があるったが、電話があることで、情報を仕入れ、収入機会や事業を拡大することができる(25万人に所得の機会をつくった)
・2年回でビレッジフォンの数は25万台まで増加 競争が生まれる

成功の理由:
・テレフォンレディがグラミン銀行利用者 支店があった
・低地で人口密度が高い
・人口が多い(1億2000万人)
・競争がなかった
・外国人投資家の支援を受けて、現地起業家がITを輸入した
・サービス提供者が女性であった
・多くの男性がダッカなどに働きにいっているため、家族との連絡主題を欲していた
・女性の地位がグラミンによって向上していた

デジタル・デバイドの問題もある??


[プレゼンへのアドバイス]

・つっちーがどう整理したのかが分からなかった
・デジタルデバイドの話になぜ重きをおいた?
・伝えていることがあっちいったりこっちいったりしていた
・本の事実をまとめることと、さらにそれを分析して伝えることとは違う
・ラベル付けをしていなかったので何のことを言っているか分からなかった
・勉強はしたけれど、分かっているというレベルに到達しない(エレベータートーク)
・メインメッセージがない
・good bisiness is good development developmentは経済じゃなくて、もっといろいろな発展を含めているのではないか。
・どういう問題⇒どう解決しようとした⇒ゴールに向かうプロセス⇒成功を説明するとよかった
・プロジェクトの個々の成功と全体としての成功、プロセスの成功理由と、ビジョン達成の成功理由はそれぞれ異なる
・そもそも出した宿題とかみあっていなかった


★いの語り

農産物を業者の言い値で売らずって、すんごいことだよ。これがイノベーション。
情報がばらばらの状態を、携帯電話一個で情報をつなげてしまう。情報の非対称性の解消。

外国投資家・地元の起業家・ITの連携がポイント。
外国投資家や地元の企業化のアイディアをひきつけたことの成功の秘訣があるのでは。


★ディスカッションと班ごとの発表

【問い】
1.グラミンフォンが何を変えたのかチームでベスト3を発表
2.グラミンフォンから学ぶこと

<りか、むみん、はせ、みちチーム>

・グラミンフォンは地域にもともとあったリソースをつなげて、新しいビジネスチャンスをつくりあげたところがすごい(外からリソースをもってくると負の面が生じるかもしれない モンサントの外来種の種子など)
・テレフォンレディが貸し出す電話によって、彼女たちがビジネスチャンスを与えている 

問い:テレフォンレディはSEか?

・自分の利益重視の行動だけれど、自分の生活をよくするという動きが大きな連鎖をおこす意味ではSEっぽいかも(りか)
・いろどりの仕組みに乗っかっている人たちはSE?工夫しているのかな?(いの)
・SEではないけれども、結果的にSE的役割をする(はせ)
・借りた人たちを助けるという役割は媒体によって与えられるもの。例)牛と電話だったら、牛はそれを食べてしまったら終わり。電話だと、これを使ってビジネスを拡大させたり、地域の人の問題を解決することに波及していく
・仕組みをつくった横石さんやイクバル・カディーアがすごい。仕組みとしての波及効果がある。二段・三段というステップがすごい(いの)


<なんしー、つじけんチーム>

グラミンフォンが変えたこと

・世界のメディアが注目するようになったことで更なる波及効果がある(P120?)
・選択肢を増やせる社会をつくった
・女性の社会的地位アップ

学んだこと

・つじけん的イノベーションの2つの重要ポイント
 -創造的破壊
  -広がりをもった継続性⇒電話・ITによって、広がりをもちさらにそれを広げていける
・ミッションを達成するための方法はいろいろある。☆を達成するために方向転換も必要
・三者の連携⇒現地のやる気のある人×外部の人×技術
これに当てはまるものって多い。海士とかも愛郷心とやりたいことをつなげている。

問い:愛郷心だけではうまくいかなかったが、技術や外部の力をつかったことでうまくいくというパターンで何が大変だと思う?例えば海士に外資をもっていくと何が大変?(いの)

・地域のことを一歩引いた目線で分析する(てん)
・理解して入っていっても、地元の感覚って違う。感覚を分かって、相手と自分のロールを理解したうえでやっていくのが大切(てん)
・外部のものだけを投入すると、地域の人と反発しあうと思う。登場人物を見ると、バングラで生まれ育ちとか、やろうとした人が現地出身や現地に根付いた人が多い。現地の人が提案するのと、外国の人が提案するのと違う。現地の問題とか外からじゃ分からないし、バングラディッシュ人だったから説得できた(りか)
・外国人投資家とかじゃないとできないこともある。お金+ブランド力+実績からの信用力
・外国資本が入ったとき、客観的な指標を求める。ここで現地でやっている人とのスピード感や価値観とのずれがでる。言語も違う。英語で語りやすい世界と語りにくい世界があって、途上国を代表するモデルと違う。例えば、SVPに成功指標を設けましょうと言う。するとどうしても規模で判断することになってしまう。規模によるフォーマルの設計を導入すると、個人の想いでやっていたのに、組織としてどうなのという評価に傾いてきてしまう。成長のスピード感っていうのがあって、楽しそうにやっている姿をもって惹き付けることができなくなってしまう。
SVTでもメジャーメントしないの?という声があがる。これに対する反論がなかなかできなかった。だって正しいんだもん。でもそれを続けると、オペレーショナルなリーダーシップに引っ張られて、イノベーティブな組織の風土が壊れてしまう。ゴールがイノベーティブでも、組織のまわしかたがイノベーティブじゃないとダメなんだよね。楽しくやるのも成果だ。SVPフォーラム直前に話し合って、やっと組織の雰囲気がよくなったというのを経験した(いの)


<あゆみ、あー、とりチーム>

グラミンフォンが変えたこと

・競争するようになった (P.48)
独占するほうがいいと思っていたけれども、みんなにいい効果があるということが大切
テレフォンレディも競争する感覚を身につけた
・独立監督機関の存在によって国の仕組みも変わってきた(P177)
グラミンフォンがやってみせ、政府が制度を変えてサポートにまわるまでやり続けたことがすごい(アショカが目指すSE像)

グラミンフォンから学んだこと

・より顧客志向で質がよいサービスに方向転換したこと(プリペイドカードサービスがなかったし、固定電話だった⇒プリペイドや携帯)


<たっくん、まりな、まりこチーム>

グラミンフォンが変えたこと

・海外にあったリソースが集ってきた
・創造的破壊という言葉 創造⇔破壊 

問い:いい効果を生んでいると同時に負の側面があるかもしれない?

・携帯電話というデバイスがもつ負の側面が出てくるかもしれないし、
・情報がないからこそ地域で助け合っていた面があるとしたら、コミュニティが消えるかも
(5人組を支えていたコミュニティが消えてしまうのでは?)
・弊害があるからやらないというのではなく、次のステップとしてどうするのかが重要
・弊害の解決を考えていくのも、ムーブメント全体での責任

グラミンフォンから学んだこと

・創設者はアメリカで一儲けせずに、学んだ後にバングラで起業した姿勢がすごい。
・資金を調達するときにグラミンバンクからというのも、非常に戦略的。
・何のテクノロジーを選ぶかというのも大切。特性を考える。弊害だけを考える機関があってもいいかもしれないし、弊害を踏まえて何を投入するか。

気になったこと

・テレフォンれデイが語る文章がないのは気になる(まりなっちょ)
・電話って本当にを借りる人の収入からして借りられるの?(りか)
・電話を買おうとすると月給の1.5倍(ほんっとに無理すれば変えるレベル)、チップレンタルは10%の値段。 したがって、携帯電話を買うのではなく、レンタルという形にした。都市部で利益を出して、農村ではちょっと低くして貸す。電話を借りることで得られる利益とレンタル代が見合っているからビジネスモデルが成り立つ


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■ 3.グラミン批判 By はるぴ じゃすみん
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★プレゼン

【批判】返済率95%という宣伝が守られていないのでは?

・ローンの半分以上が一年延びている。
・サイトのデータは96年以来アップデートされていない
・期限ぎれローンをフレキシブルローンに変換している
・情報提供の拒否
・グラミンの監査役などいない

【原因】

①貸し手間の競争
-ひとつ以上の機関から融資を受けている人が多く、借り手側がだらける
-ASAの返済率は99.3%

②借り手の変化
-4分の1を消費につかっている
-ローンは違うローン返済に使っている
-120分の6しかローンから利益を生めていなかった(人類学者Aminur Rahman調べ)

③フレキシブルローンの存在
-98年に洪水が起り、この影響で返せなかったローンは未払いでも承諾。それ以降その特例がゆるくなっていき、洪水以外でもOKしてしまうようになる
-現時点で何かの返済がされていれば、過去のローンはそのまま
-夫を説得したりして 新しいローンを紹介している
-人数が増えているのに、貸付総額98年で減っている(数字にはトリックがある)
-すぐに返せなくても、長い年月で払ってもらい、返せないのを待つことによって返済率をキープしているのかも。
⇒返済率低下とグラミンバンクの問題発生をカバーしている?

【批判側の具体的な提案】

・正規のローンと新しく作ったローンをリストを別につくるべき。リストの1/5は再度融資されたものである
・90日間以上の期限切れのリストをつくるべき(1~2年の期限が切れたリストしかない)

【反論】

ユヌス:
-未返済は、洪水など外からの影響があるときに生まれる問題であって、2.4億の人々がきちんと返済しようとがんばる姿が見えている
-バングラディッシュの中央銀行がグラミン監視の責任をもっている
-グラミンは顧客との融資のやり方でやりくりできているため、これからもドナーなしでもやっていける

Maria Otero (ACCION International):
Rupert W. Scofield(FINCA):
-自分たちはグラミンが指摘されているような問題をもっていない

Alex Counts (President of GF):
-支援されている約120,000家族が毎年貧困ラインを超えている。
-未払い分のお金はわずかであるし、その量は毎月減っている。

Elizabeth L. Littlefield (CGAP):
-多くのMFIは、グラミンに影響され、今でも貧困者はお金を返すということを証明し続ける。


★グラミン批判に対して感想

・目の前に困っている人がいて、実際に洪水が起きて、絶対この人たちは返せるという確信があったとしたら、感覚がある当事者として、システムがうんぬん言う前に、いいですよって言っちゃうでしょ(たっくん)
・規模が大きくなったので、顔が見える範囲を超えはじめているのかも(あゆみ)
・普通の商業銀行がつながりを無視して、信用審査のみでお金を貸すようになると、返済率は下がるという話もある。お金が入ったときに、今日くらい上カルビ食べたい!となってしまうところを、貸してくれた人の顔が思い浮かんで、やっぱり返しに行こうということになる(いの)


★グループディスカッション

問い:グラミンの批判

発表は時間の制約で省かれる


★グラミンの批判まとめ(By じゃすみん)

【グラミン批判の主な論点 3つ】

・返済の仕組み
   コミュニティ制度、又借り

・社会的リターンについて
   女性の権利、教育、生活の向上

・経済的リターンについて
   貧困削減の達成度、 GDPの回復


【具体的な批判5つ⇒グラミンの対応】


①グループ制
-グループメンバーの破綻→問題ない他メンバーのビジネスが停止
-グループレンディングの実証研究は少なく、ポジティブな結果は得られていない。
(経済トピックス「マイクロファイナンス~グループレンディングの経済合理性とその限界~)

⇒25年間続いたグループファンドの撤廃
 共同口座(joint accounts)もなし
 返済できない場合でもグループやセンターからの圧力がかからないようにする


②返済の仕組み
-目標:高利貸しの搾取削減
-現実:新たな高利貸しの創造

⇒MFI間で借り手の情報を共有、デフォルトした顧客が他の機関からも借りることができないようなシステムを作る必要。(いくつかの途上国で進みつつある)


③女性のエンパワーメント
-女性に融資をすると返済率がいいというのを利用しているだけ
-家父長制の慣習は不変
-女性が借金の負担を負っている

⇒女性の家庭内の地位向上/コミュニティでの中心的役割/社会的政治的問題への関心/自信


④限定された顧客層
-最貧困層に融資できていないので貧困撲滅という目的は達成できないない

⇒最貧困層向けの新しいプログラムを開始(2002年時点で約97,000人が利用)
 ゼロ金利で長期
 無償で生命保険・ローン保険に加入
 グラミンから融資されているとバッジで周囲に知らせる
 物乞いに代わる収入源を支援
 グラミンバンクの非営利的社会貢献という位置づけ
 

⑤MFの経済的効果
-生活環境は変わっていなかった
-融資を受けているほうの利益よりも、MFの機関などの利益のほうが大きいのでは

⇒零細企業以外の方法
  (1)500人の女性がMFIからの融資でミシンを買い、事業を開始 
     →高金利の返済
  (2)1人の優れた企業家に融資し、500人の従業員を抱える企業を創設
     →規模の経済・現代の生産プロセス・技術の使用で豊かに


★いの語り


そもそも起業なんて平均して一割しかうまくいかないもの。先進国もそうだけれど、途上国で全員が起業家になるのは難しいんじゃないかな。


エティックは(1)専門で、(2)には関与しないけれど、(1)と(2)を促進する役割は違う主体が行うべきかもしれないね。
(2)のアプローチをどう捉えるかって僕的には難しいなー。ユヌスの価値観が伝わっているのか分からない。

ずっと前にマイクロファイナンスのフォーラムで 眼鏡のマイクロフランチャイズを知った。 
セールスパッケージを作って、セールスレディが教育パッケージから商品までを買って、一個売れるとマージンが入る仕組みになっている。
そのセールスレディたちに起業家精神って必要なのかな?☆をどのくらい見ているのかな?SE?
大きく言えばソーシャル・イノベーションかもしれないけれど、実際にその会社で働いている人たちは普通にしていてビジネスのあり方帰るか?変えないぜ。エキサイティングではない。
みんな仕事をしているわけで、生き方・働き方・ビジネスのあり方を変えているわけじゃないでしょ。だからデザインすることが大事なんだよー。ビジネスマンでも何かを変えているんだという意識をもたせ日々の行動につなげられるように。


・ミッションとかイノベーションとかの存在意義は分かっているけれど、それを伝えてソーシャルアントレ育てるのは手間。貧困解決のせっぱつまったところで、わざわざ手間をかけなくていいと思う(てん)

ちなみに、アメリカのビジネススクールはトップ層は起業、中間は普通のキャリア。すごい人たちのほとんどが30代くらいで起業して大失敗している。アメリカでは立ち上げて失敗したことがすごく大切にされる。転んでから本当のエリートになるといわれるくらい。エリートとは、キャリアがいい上澄みのものではなく、世の中をつくる人たち(ラテン語) 
責任があるから挑戦しなければいけないという観念がある。
転んだことがあると他の人の挑戦に対しての態度が違ってくるんだよね。


★グラミン批判まとめ

事業を継続していくためには、返済率維持や高金利は必要
でもその影として、いろいろ生まれている
グラミンはそれらに対する対処法を実際に行っている

ユヌスは批判はラッキーとしている。批判に対して前向きであり、改善していこうとしている

グラミンから学んだこと:
・ミッション達成するために手段をいろいろ試す
・ビジネス要素が必要

[プレゼンへのアドバイス]

スライドのつくり方が上手 引用の部分を箱に入れてあるし、ソースを書いてある
ワンページワンメッセージを順守している
英語の引用の仕方もきれい
テーマではなく、事例が与えられて、自分で分析しようとしたところがすごい


★全体の授業感想

・自分たちのマイプロで、取り巻きの人がどのような視点でその活動を見るのかという視点が備わった(たっくん)

・普通の銀行でもすごいところがあるという発見(じゃすみん)

・マイクロクレジットから飛び火して起きた変化はすごい。ユヌスは特許とかでやらない。これこそSEだと思う!私は今参加している授業で、起業のアイディアを外部に漏らさないようにすべきだと言われ抵抗を感じた。自分のモデルを自分で抱えている人はSEにはいない。
私は自分のピンクシュガーのアイディアを伝えたいし、巻き込みたい(りか)

・どこまでがコンフィデンシャルかってのは普通のビジネスでは当たり前だね。ただし、競争要因が本当にビジネスモデルにあるのかということには疑問を感じる。技術的なところは隠して当然だけれど、ビジネスモデルを隠してどうするの?(ビジコンとかもビジネスモデルの優秀さ強調しすぎ!)。ビジネスモデルを大切にするのは、学者・コンサル的視点であって、正直、普通の経営を普通にやることが一番大変で、大切なことなんだと思う。(いの)

・ある型ってのがあるとはまりだすもの。(ドラクエにはまった同士のトーク
マイクロファイナンスについて議論している人たちだって、基本的にこれが好きじゃん。
SVPもオープンにして、よそでやってもらって、フィードバックしてもらってっていうのはおもしろい。(いの)