【 導入 】
『使える弁証法』を読んで、「螺旋的発展」だと思うものを、
ひとつ挙げて、みんなに説明してください。
例:「競り」と「ネットオークション」
「井戸端会議」と「チャット」(ここではメッセンジャーのようなチャットを指す)
井戸端会議とは、
「共同井戸のあたりで、水汲みや洗濯などをしながら、女たちが人のうわさや世間話をすること」 ―広辞苑―
時間のある人たちが同じ場に集まり、(作業をしながらも)たわいもない会話をすることとも言える。
これは螺旋階段を登り、また「チャット」という進化した形で帰ってきたと言えると私は考える。「チャット」とは、時間が空いている又は話すことができる人達がサインインし、「オンライン」という表示を出すだけで、周りのサインインしている人もその人と会話できることがわかる。つまり、井戸端会議でいうと、井戸で話し相手を発見すると同じことである。そして、課題などの作業の合間にも、気分転換に話しかけたり、たわいもない会話がすることが可能である。また、表示を「オフライン」にすることで、井戸から帰るように、その会話できる場から去ることができる。
つまり、井戸端会議もチャットも、「ある場」において、自由に人に話しかける機会があり、作業しながらも気軽に会話を楽しむことができる。
チャットはインターネット上であるため、顔が見えないが、同じ場所の井戸を使わない人など遠くにいる人とも会話ができたり、気分で会話したくない時は表示を変えることができたりなど、発展している。
【 其の壱 】
ハーバードMBAのSEコース在籍の友人スティーブがいの研に遊びに来ました。
「Hey baby, 日本は欧米のマネばかり!Originalなアイディーアはないのかい?」
スティーブにも分かるように、かつ、今まで学んだ授業のエッセンスを使って
担当事例を説明して、ぎゃふんと言わせてやってください。
その際に①~③を必ず盛り込んでください。
①キャッチコピー
②事例内容
③どこがおもしろい(exciting! interesting! wonderful! cool! sexy! etc.)のか
欧米のマネばっかりですって!スティーブ冗談はよしてよー。CSRなんてローマ字使ってるから、いかにもアメリカ発って感じだけど、実は1754年に日本では、「三方よし」の直接の原典となっている書置がすでに発見されているのよ!!
え、三方よしとはなんだって?じゃ、まずそこから入るはね☆
①売り手よし!買い手よし!世間よし!
②「三方よし」とは、商取引においては当事者の売り手の買い手だけでなく、その取引が社会全体の幸福につながるものでなければならいという意味である。これは日本の近江商人の到達した普遍的な経営理念を示したフレーズとして使われている。近江商人は広域に活動したため、売り手と買い手だけを視野にいれず、取引の背後に第三者の眼、つまり周囲や地域の人々のことも視野に入れ、気配りに徹した経営をおこなっていた。
どうしてそんな第三者の眼に気を配っていたのか?それはね、スティーブ・・・
近江商人は自分たちの地元で商取引を行ってたわけじゃないんだよ。自分が住んでいた近江ではなく、近江国外で活躍し、原材料となる地方物産の移入と完成品である上方商品の移出を手がけていたのだ。彼らは、一回の取引で終わるような商売ではなく、自分が見込んだ国や地域へ毎年でかけ、地縁や血縁もないところに得意先を開拓し、地盤を広げていかなければならなかった。
つまり、商取引をする際、この近江商人たちにとって一番大事だったのが「信用」だったんだよ。そこの地域のことを何もしらない、誰も知らない赤の他人が、商売をするためには、取引先であるそこの地域の人たちとゼロから信頼関係を築かなければいけなかった。 このような近江商人たちが他国商いのため(信頼を得るため)の教えが、現代の「三方よし」という言葉にぎっしりと集約されているのである!! 近江商人で、遺言をのこし、経営理念や教えなどを後世に残そうとした人達が多数いる。彼らの書物の中には、自分の都合よりも相手のたちを徹底的に尊重することを説いているものもあり、現在の「顧客満足を第一にせよ」の考えに共通する。また、初代小林吟右衛門は術懐において、
「たとえ天秤棒をかついだ小商人であっても、世の中の一員としての自覚を持ち、不義理や迷惑をかけないように絶えず周囲や世間の人たちのことを思いやりながら賢明に働けば、立派に一人前の商人として認められ、やがて相当の資産を築くことができるものである」
と説いてある。
これで「三方よし」と近江商人の教えはわかったかな?
え、なに?CSRっぽいっちゃぽいけど・・・だって?!
しょうがないなぁ、頑固なスティーブのためにも、もっとCSRとの関係を説明するさっ
近江商人は、商行為の基礎に社会の一員という社会認識の重要性を強調しており、そんな彼らがたどり着いたのが「三方よし」に代表される経営精神である。そしてこの経営精神は現代の企業の参考になるものである。
「三方よし」の精神が現代の経済と経営に示唆する側面は2つあるといわれている。
一つ目は、地球環境の問題である。三方よしの「世間よし」は、現代では経済の問題を解くにも、地球環境の保全を不可欠の前提に捉えることを促しているところである。
二つ目は、現代経営にかかわる側面である。それはまさの顧客満足を高め、企業の社会的責任を果たし、社会貢献を促すことに通じてる。
『「三方よし」という営業活動における社会認識の重要性を強調した近江商人の経営理念は、日本の歴史と伝統のなかで培われてきた生え抜きのCSR思想そのものである』
『持続可能な成功のための資源利用と地球環境の関係に思いをめぐらせ、現代経営においては顧客満足を重視しつつ、企業の社会的責任と社会貢献を全うするような方策の案出を要請しているという意味で、まさに現代につながる普遍性をもった経営の原典であるといえる。』