HOME » 社会起業とは » Social Ventures Report » 【report】寿町が示す新しい共生型社会の可能性
【report】寿町が示す新しい共生型社会の可能性
僕は横浜が好きです。横浜駅西口周辺の雑踏も、去年新しくできたベイクオーターも、
みなとみらいも中華街も元町も、作られた場所でありながらどこか懐かしさを感じます。
はじめて寿町のことを知ったのは数か月前でした。授業であの映像を見たときです。
正直とてもショックで、恐怖心さえ覚えました。
普段の生活で日本の「闇」の部分に触れる機会があまりにないことを実感し、
同時に他にもきっとまだまだ自分の知らない世界が存在することを再認識したからです。
そんななか今回はじめて寿町を訪問するにあたって、複雑な気持ちでした。
いくら復興を遂げているとはいえ、我々のような「外部」の人間が興味本位で
踏み込んだり見学したりすることを寿町住民の方々はどうとらえているのか。
通りを歩きながら感じる視線には恥ずかしささえ感じてしまいました。
しかし、そもそも自分たちが「外部」であると考えることがすでにおごりであり、
もっとポジティブにこの街の活性化を応援、協力することが恩返しなのだと思います。
単に「おもしろかった」で済ますのではなく、自分には何ができるのかを問うこと。
まずは寿町のことを知り、正しく理解し、知らない人には伝えること。
そして日常生活のなかでも人々の多様性とぬくもりに感謝すること。
環境こそ異なれどそこに生きる人間の本質は変わらないはずです。
支え合い、与え合って暮らす寿町の姿は決して「闇」で片付けられるのではなく、
未来の日本が尊重すべく新しい共生型社会の可能性を示している気がしてなりません。
（文責：望月良輔）