第一問: 【グラミン銀行って普通の銀行と違うの?!】
①経営理念(ビジョン)
みずほ銀行を例にあげると、Visionとして‘お客様のより良い未来の創造に貢献するフィナンシャルパートナー’という風にあげている。フィナンシャルパートナーという領域に自らを限定しているのがいわゆる普通の銀行なのだが、グラミン銀行は便利なファイナンスの領域を超えたミッションがある。
②提供している商品・サービス
提供しているサービスの根本的なところはほぼ同じであると思うが、特に教育コンテンツ(コンサルティング)などを有償で行っているか、無料で提供しているかの違いは大きいと思う。また、投資信託など金銭的に余裕がある場合に便利になってくるサービスはグラミンでは対象外であるため存在しない。
③その対象
一般の銀行は、銀行にとってなんらかのメリットになる人間(大口の預金ができるもの、ローンをつくってのちに利子をつけて確実に返せる人)が顧客として喜ばれる。グラミンでは一番にあげられる成果の指標として、どれだけの人間を貧困から救い出すことができるか、というものがあるため、より困っている人に融資をすることが優先される。
④社会への影響
一般の銀行では、金的に余裕のある人間の生活を更に便利にしている。一方で、より余裕のある顧客が銀行にとっても成長というメリットを持ってくるため、顧客対応にバイアスがある。
グラミンの活動は貧困削減に役立っている。銀行自体の成長を目的とした銀行ではないので一般の銀行でおこるようなバイアスは生じない。女性の地位確立、地域の発展を遅らせる文化の排除にかかわるなど、現代社会の倫理を行使している点で、一般銀行と顧客の関係とは異なる政治的組織であることを感じる。